“The Sentimental Four” は,地元のアマチュア・コンテストで5週間連続優勝した後,ニューヨークのアポロ劇場に招待されて優勝しました.これをきっかけに,イースト・コーストのロイヤル劇場やハワード劇場で公演を行うようになりました.1950年,”Edwin
Hall” は,新婚のためにグループを脱退,代わりに ”Maryland Pierce” (セカンド・テナー)が加入,ギタリストの “Rocky
Mount Joe Jones” もツアーのメンバーに加わりました.グループの評判が確立するにつれ,ロサンゼルスを拠点とする “Aladdin
Records” のオーナー ”Eddie Mesner” の目に留まり,1951年にレコーディング契約を結びました.メンバーの変更を反映して,グループの名前が
“The Sentimental Four” から “The Five Keys” に変更されました.
“The Five Keys” は,”Rudy West”,”Maryland Pierce”,“Dickie Smith” がリードボーカルを分担し,”Ripley
Ingram” が当時のジャンルであった フローティング・テナーの要素を加えました.1951年,グループは 名曲 “The Glory Of
Love” のカバーで R&Bチャート1位を獲得,このとき ピアニストの ”Virginia Joe Jones” と共演しました.“The
Five Keys” は,”Aladdin Records” のために,クラシックなスタンダード・ナンバーとR&Bのオリジナルをミックスした曲をリリースしましたが,“The
Glory Of Love” を超える成功は ありませんでした.
1955年,”The Five Keys” は,"Chuck Willis” が書いたR&B バラード ”Close Your
Eyes” をリリース,R&B チャート5位を記録しました.”The Verdict” は R&Bチャート13位,”Cause
You're My Lover” は R&Bチャート12位,”Gee Whittakers” は R&Bチャート14位,1956年には
”Out Of Sight, Out Of Mind” が R&Bチャート12位 を記録し,ヒットが続きました.1956 年6月の セッションでは,”The
Five Keys” のサウンドに変化が見られ,女性コーラスの追加,インストゥルメントやストリングスが増え,シンプルな R&Bではなく,Popチューンに傾倒するようになりました.1957
年後半,”Rudy West” は 結婚したことで責任が増え,ツアーに疲れたこともあり グループを脱退,”Rudy West” の代わりに ”Thomas
Threatt” が加入しました.
1959年,”The Five Keys” は,オハイオ州シンシナティーを拠点とする “King Records” と契約,1960年までに
いくつかの曲をリリースしました.しかし,グループは “Capitol Records” で達成した成功を維持できませんでした.この間,”Rudy
West” は ソロ歌手として “King Records” に3枚のシングルをリリースしましたが,どれも売れませんでした.1961年以降は,”Rudy
West & Five Keys” として ”Seg-Way Records”,”Inferno Records” などでシングルをリリースしました.
1970年代は,1950年代のDooWopへの関心が再燃,”Rudy West” は 別の “The Five Keys” を結成し,1998年まで音楽活動を続けました.1992年,”The
United In Group Harmony Association”(U.G.H.A.)は,オリジナルの “The Five Keys”
を殿堂入りさせました.式典には,オリジナル・メンバー全員が出席し,一緒に演奏しました.これは,40年以上ぶりの共演で,グループとして全員がステージに立つ最後の機会となりました.
You Broke The Rules Of Love - The Five Keys (Capitol)
URL _ https://youtu.be/mmhA_junxZk
<Live Performance>
私がいつも視聴している YouTube サイトの @TCSguy に,“The Five Keys” のライブ映像がアップロードされています.この映像は,1983年に
“Mark del Costello” が プロデュースしたコンサートで,”Goldmine” マガジンに次のような解説があります.
「 1983年9月11日,ニュージャージー州ペンバートンの “The Burlington County College” で, “Capitol
Records” の オリジナル ”The Five Keys” が25年ぶりに再結成しました.ステージには,”The Silhouettes”,“The
Laddins”,“The Spaniels”,“Johnnie and Joe”,“The Limelites”,”The Videos”,“The
Five Willows”,“Earl Lewis and The Channels”,”The Ravens”,“The Castelles”,“The
Cherokees”,“The Rainbows”,“The Swallows”,“The Jive Five”,“The Falcons”,”Hank
Ballard” らが出演しました.」
「 R&Bファンであり,レコード収集家,そして写真家でもある ”Mark del Costello” は,この一生に一度のコンサートの重要性を認識し,そのすべてを
1/4 インチのビデオテープと 16トラックのオーディオ テープに記録しました.しかし,これらのテープは 数十年前に盗まれ,それ以来,品質の低い海賊版が作られていて,”Mark
del Costello” は 未だに このイベントの真の魅力をファンに伝えていません.」
私が “The Five Keys” を知ったのは,DooWop や R&B を本格的に聴き始めた1970年代でした.輸入盤のオムニバスアルバム
”History Of Rhythm & Blues The Golden Years 1953-55 Volume 2”(Atlantic
SD 8162,14曲)を購入,"The Clovers",”The Drifters”,"The Chords"
などの曲が収録されていました.このアルバムで初めて聴いたのが "The Five Keys" の "Close
Your Eyes",当時は コール&レスポンスという意味も知らなかったのですが,リードボーカルとハイテナーのセカンドボーカルが 掛け合う
素晴らしい名曲でした.この曲を聴いてから もう50年位が経ちましたが,現在は デジタル音源やYouTube のおかげで,"The Five
Keys" の曲や映像を視聴できるようになりました.これからも,彼らの残してくれた貴重な遺産を じっくり聴いていきたいと思います.